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ミニマリストに憧れていた

一時期ミニマリストに憧れていた。

限られた物を大切にして、ミニマムに過ごす。

色んな人のブログやツイッターを見て、私もやってみようと思った。

 

そう思ったのは、精神的に疲弊していた時期だった。

物で溢れかえった部屋を見て、このままではいけないと思い、まず断捨離をした。

とにかくいらないものをバシバシ捨てて、必要なものは別にして。

その作業を3日間行った。

貴重な休日全てをそれに当てた。

 

ミニマリストは最小限の物で生活する、と思った私は、必要なものだと判断した物も更に判別することにした。

結果、服と本とマンガをいくつか処分した。

 

スッキリした部屋を見て、私は満足していた。

これからは生活もミニマムにしていくぞ。

そう決心し、物欲とさよならした。

 

物欲が戻ってきたのは、ここ最近だ。

服は最低限で過ごしていたけど、それだとワンパターンのコーディネートしかできず、味気なく感じ始めた。

安くて可愛い通販サイトを見つけてから一気に服を買った。

必要かどうか関係ない。欲しいと思ったから買ったのだ。

 

本とマンガも断捨離前より増えている。増え続けている。

これらがなくては私の生活は成り立たないと気づいたのだ。

電子化が進んでいても、やっぱり私は紙の本とマンガが好きだ。

部屋の大部分を占めていても幸せを感じる。

 

結局私はミニマリストになれなかった。

もちろん、本家の人たちから見たら、私が目指していたものなどミニマリストの風上にも置けないかもしれない。

でも私は目指していたのだ。強く憧れていたのだ。

 

物欲は年齢を重ねるごとに増えていく。

きっとこれからも私の部屋には物が溢れ続けるだろう。

でも断捨離した部屋で過ごしていた時期より、今の方が幸せなのだ。

幸せのためなら、物を増やしていったっていいじゃないか。

 

今日も私は自分の財布と相談しながら、物を増やす。

しばらくはミニマリストへの憧れとさよならする。

幸せのために今日も生きていく。