隣に寄り添う存在
藤崎彩織『読書間奏文』を読んだ感想です。
「SEKAI NO OWARI」でピアノ演奏とライブ演出を担当している藤崎彩織のエッセイ。
「本」にまつわるエッセイで、著者の日常と「本」をリンクさせて書かれている。
ウイスキーが好きだという内容なら、村上春樹の『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』。
妊娠してからの葛藤を書いた内容なら、小川洋子の『妊娠カレンダー』。
著者にとって「本」は常に隣に寄り添う存在だ。
精神的に不安定な時、気持ちを言葉にできない時、音楽活動に行き詰まった時。
いつも隣に本はあった。
彼女にとって日常と「本」は切っても切れない関係だ。
女性としての苦しみも、アーティストとしての苦しみも誰もがわかるものではないと思う。
仲間がいても、家族がいても、孤独を感じることがある。
そんな彼女を「本」が支えてくれる。
このエッセイ、すごく読みやすい。
著者の文がするすると頭に入ってくる。
彼女を支えてくれる本の数々を読みたいと思う。
私にとっての「本」も自分を支えてくれる存在だ。
だから読む。読み続ける。