愛すべきこじらせ女子たち
こじらせ女子。
友達にいたら面倒そうだけど、どこか憎めないところを持っている。
そんな彼女たちが主人公の映画を3作品紹介。
1.『勝手にふるえてろ』
ヨシカは初恋を10年間引きずったままの24歳。
絶滅危惧種について調べたり、アンモナイトの化石を手に入れたりするオタク女子で、恋愛経験はゼロ。
初恋の相手「イチ」との思い出を脳内召喚したり、妄想したり、彼女は何かと忙しい。
そんなヨシカの前に、彼女に想いを寄せる「ニ」が現れる。
彼からの熱烈なアプローチに戸惑いつつ付き合うことになったヨシカだが、同窓会で「イチ」に再会したことで、「イチ」と「二」の間で気持ちが揺れ動くことに。
現実的な彼氏か、妄想の彼氏か。
色々こじらせてしまっているヨシカが選ぶのはどちらか。
とにかくヨシカのこじらせ具合が観ていて痛々しい。
妄想上で色々な人に「イチ」への想いをぶちまけたり、強引な手を使って同窓会を開いたり。
初恋を前にすると彼女は暴走してしまう。
だけど、ヨシカの痛さはかわいくもある。
彼女は好きな人にまっすぐなだけなのだ。
ヨシカがどういう道を選ぶのか、気になる人はぜひ観てほしい。
2.『フランシス・ハ』
NYで暮らしている27歳のフランシスはプロのダンサーになるべく日々奮闘している。
しかし、彼女のルームメイトで親友のソフィーが婚約により出て行ってしまい、彼女の生活は苦しいものとなる。
自分の夢を追うか、日々の生活をとるか。
彼女は友人たちや家族と過ごしたり、パリへと旅に出たりして自分を見つめ直していく。
フランシスがこじらせているのは、現実から目をそらしているところだろう。
トラブルを起こしてしまったり、すぐに感情的になってしまったりで大人になりきれていないところがある。
それでも彼女は大好きなダンスを続けるために、現実を受け入れていく努力をしていく。
観ているこちらに不安を与えてくるけれど、そんな彼女を応援したくもなる映画。
3.『もらとりあむタマ子』
タマ子は実家に寄生中の23歳。職はなし。
実家の父親に見守られながら、だらだらと日々を過ごしている。
仕事を探すわけでもなし、友達と会うわけでもなし。
外とのつながりを切ったままだらだらするタマ子に、父親は怒るどころか彼女の将来を心配するだけ。
そんなぬるま湯状態のまま、月日は流れていく。
タマ子の明日はどうなるのか。
タマ子はびっくりするくらい何もしない。
かと思えば、突然こちらの予想を超えてくることをしようとする。
中学生男子だけが唯一の話し相手で、父親には何も言われないことをいいことに甘えまくり。
「いつかする。でもそれは今ではない」そんなことを平然と言ってのけるタマ子がどこか羨ましく感じる。
こじらせているけれど、周りの人にそのゆったりさが許されているタマ子。
悪意ある人が1人も出てこないので、安心して観られる映画。
以上、こじらせ女子が主人公の映画を3作品紹介。
そのこじらせ具合が痛く感じることもあるけれど、少し癖にもなる。
ちょっと共感もできるのは、みんなどこかに「こじらせ」を抱えているからかもしれない。
どれもおもしろい映画なのでおすすめ。