だらりとゆるりと
だらりとベットに寝転がって読みたいマンガがある。
吉田覚『働かないふたり』だ。
初めて読んだのはweb版だった。タイトルが気になって読んでみたら、タイトル通り、働かない兄妹のマンガだった。
兄・守、妹・春子。2人とも実家暮らしのニートだ。
毎日働かず、朝寝て夜起きる生活をし、ゲームをしたり、テレビを観たりしているだけで労働はしない。
うらやましい限りの生活をしている。
謎なのは対人恐怖症の春子とは違い、社交的でバイト経験もあり、春子曰く「エニート(エリートニート)」の守がなぜ働いていないかである。
ただこのマンガを読み進めていくと、そんなことどうでもよくなる。
確かに2人ともニートだ。でもそんな彼らの生活を読んでいると、いろいろなことがどうでもよくなってくる。
2人の隣に住む倉木さんは不眠症だったけど、2人の馬鹿馬鹿しいやり取りを覗いては癒されている。眠れるようになったし、仕事がんばろうと思えるようになった。
守の友人、丸山はしょっちゅう2人の家を訪れ、倉木さんも交え、ゲームをしたり、「秘密基地」を作ったりと、とても社会人とは思えない休日の過ごし方をしている。それでも仕事の疲れを吹っ飛ばすことができるので丸山はいつも楽しそうだ。
他にもたくさんの人たちが2人と関わるが、彼らは2人を「ニート」としてではなく、「大切な友人」として見ている。
ニートなふたりとそれを取り巻く人々の話だけど、時々核心をついてくる話もある。
だらりと読んでいたらはっとさせられることもある。
ただのニートマンガではないし、ただのゆるっとしたマンガではない。
でも、ベットでだらりとゆるりと読めてしまうのがこのマンガのいいところだ。
今疲れている人、ベットに寝転がっている人、クスリと笑えるマンガがここにあります。